「だから夫についていった」|親鸞会 顕正新聞

親鸞会 会員の声

 親鸞会の親鸞聖人降誕会弁論大会(平成22年6月6日)で、広島県の水沢沙織さんの発表は、会場いっぱいに詰めかけた聴衆の心をとらえた。

 新婚当初、聞法一筋の夫が理解できず、猛反対していた沙織さんが、なぜ大変わりしたのか。それは夫・裕二さんの、家庭での「よき夫」としての努力、妻の仏縁を念じる愛情あればこそだった。

 まず、水沢さんの弁論から聞いてみたい(要旨)。

あなたから

広島県 水沢沙織

「私と仏法、どっちが大事なの!どうしても出掛けるなら離婚してやる!」

 結婚して間もない土曜の夜、聞法へ行こうとする夫に指輪を投げつけ、私は玄関に立ちはだかりました。しかし、夫は行ってしまったのです。

 一人取り残され不安のあまり、「もうイヤ、仏教に裕二さんを取られた!」と泣いて母に電話すると、「あなたの気持ち、よく分かるよ」と優しく受け止めてくれました。

 しかし半年後、母が突然、心の病気になったのです。ためていた不満を家族にぶつけ、次第に家事もできなくなりました。母のあまりの変わりように、私は目の前が真っ暗になりました。

「もう死にたい!なんで生きなきゃならないの?」

 母の叫びに、何一つ答えることができませんでした。人はなぜ生きるのか?私の心も窒息し、何も手につかなくなりました。

 そんな時、夫から『なぜ生きる』を手渡され、食い入るように拝読したのです。

「難思の弘誓は、難度海を度する大船」

親鸞聖人の断言でした。苦しみの波の絶えない人生を明るく楽しく渡してくださる大きな船がある!これだ!ここにあった!

 以来、自分から聞法したいと心が変わりました。

 親鸞学徒になった私は、夫と頻繁に実家に帰り、両親に話をしました。

「自分の運命のすべては、自分のまいたタネが生み出したものなんだよ」

「苦難の人生を必ず救うと、阿弥陀仏が誓われているんだよ」

「お父さん、お母さん、一緒に仏教を聞こうね!」

 私の変わりぶりに両親は戸惑っていました。さらに、掃除機一つかけたことのなかった私が、朝から晩まで、掃除、洗濯、買い物、料理など続けて実行する姿を見て、

「こんなに沙織を変えた阿弥陀さまはすごいな」

と父は驚き、去年の降誕会に、初めて両親と参詣できたのです。

 それから富山の親鸞会館で行われた座談会が各地にインターネットで中継されるテレビ座談会で聞法を重ね、昨年12月、父も親鸞学徒に生まれ変わりました。

 仏縁ある人と結婚したのも、母が病気になったのも、すべて如来聖人のご方便でした。そして高森顕徹先生が、テレビ座談会でわが家に来てくださったなればこそと、感謝の思いいっぱいです。

 裕二さん、あなたと出会えて本当によかった!

 受けしご恩を胸に、真実の橋渡しをさせていただきます。それが私の報恩の道です。

     ◇     ◇     ◇

夫の聞法に反対していた沙織さんの気持ちが、どうして変わったのか。弁論後、インタビューに応じてくれた。

「だから夫についていった」

 結婚前から主人が仏法を聞いていることは知っていました。若いのに仏教?そのエネルギー、仕事や趣味に注いだら?と思いつつ、誠実な人柄に引かれました。

 衝突したのは、結婚して間もないころ。仕事を辞め私の心は裕二さんのことばかり。なのに、待ちに待った週末に私を置いて出掛けていくなんて。とにかく寂しくて仏法に嫉妬しました。

 聞法を妨げようとしても、主人は「ごめん、行かせてくれ。仏法にはすごく大事なことが教えられているんだ」と動揺しない。朝晩、仏前で勤行する姿に「この人は、日々が仏法なんだ」と感じました。どんなに騒いでもブレない主人。次第に、私が間違っているのかな、と思えてきました。好きな人と毎日顔を合わせて、それで十分幸せなのに、「週末はデート!」とこだわり、自分で自分を苦しめているのでは、と。

 主人は妊娠中の体を気遣って、夕飯を買ってきたり、不得意ながら味噌汁を作ってくれたりしました。富山へ出発する夜には、洗濯物をたたみ、食器を洗い、部屋をきれいに片付けて、布団まで敷いてくれました。そしてキチンと整えられたリビングのテーブルに、仏教の小冊子が1冊。「読んでください」という声が聞こえてきました。

 開いてみると分かりやすく、いい教えだなぁ、生まれてくる子にも読ませたいと思うようになったのです。

 私に仏法聞かせたいという夫の思いも伝わってきて、その気持ちにこたえたいと、結婚して最初の春、地元での親鸞会の講演会に参詣する主人に、初めてついていきました。

 普段は寡黙な主人が、大きな声で親鸞聖人の説明をしたり、『歎異抄』1章をすらすらそらんじ、年配の女性に熱心に話しする。驚きの連続でした。

 講演会場に来られている皆さんにも温かく迎えられ、続けて聞法するようになり、昨年2月親鸞学徒にならせていただきました。

 反発してばかりいた私の気持ちを受け止め、忍耐して伝えてくれたこと、本当に感謝しています。

(プライバシー保護のため、個人名は仮名にしてあります)

 

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