映像編
真剣な聞法の場を実現するLED(2/3)
屋内用では世界最大
そのころ、正本堂の設計担当である石本建築事務所に、東芝から、
「埼玉県熊谷市の競艇場場外売場に、屋内専用・3イン1型のLEDを入れたので、見てほしい」
という連絡があったのです。
東芝製品はそれまで考えていなかったので、意外でしたが、特専部の山形雄次郎さんや石本建築の人と平成14年に、行きました。
見せてもらって驚きました。屋内用で、ぎらつかず、とてもきれい。ピッチ(間隔)は6ミリで、ブツブツ感もない。
「やっと、無二の大法城にふさわしい映像が見つかった」
と思いました。
ピッチは6mm
平成14年8月に、親鸞会館での試写会にこぎつけ、平成15年4月26日、2回目の試写会が行われました。そこで、2000畳の大講堂への導入が、決定されたのです。
―――東芝は、ランプの間隔が狭かったから、よかったということですね。
ほかにもありますよ。東芝のLEDを拡大してよく見ると、四角いランプが並んでいます(上の写真)。これは、重要なポイントです。
球状のランプが並んでいる他社製品だと、横から見ると、隣のランプが邪魔をして、映像が分かりにくくなります。視認角度が小さくなるのです。
東芝の四角いランプは、平面上に並んでいます。そのため、映像に向かって170度の角度内に入れば見えます。
―――それはすごい。ほぼ真横からでも見えますね。
また、電源部に冷却ファンがなく、騒音が少ないのも特長です。
電源部は熱を出すので、冷却ファンがついていて当たり前なので、騒音を心配していました。親鸞会館のように、たくさんの人がシーンと静まり返る場所はあまりありませんから、LEDのメーカーは、騒音なんて気にしていないのです。
ところが東芝は、放熱効果の高い材料を使った電源を採用しているので、ファンもなく、騒音の心配も解消しました。
ファンがない静音設計
―――いいことずくめですね。
もっといいものを求めて、最近になって開発された他社のLEDも見に行きました。
ところが、東芝と同じ平面型LEDなのに、あまりよくありません。どうやら東芝製品には、ランプとランプの間の、黒いすき間に仕掛けがあるようです。
残念ながら、これは企業秘密だそうです。
―――大講堂に設置されているLEDの大きさを教えてください。
演壇の上に、縦4メートル86センチ、横10メートル24センチのLEDが導入されました。これは、畳30枚分。富山県高岡市に、初めて建てられた会館(前田町)の本堂より広くなります。屋内型3イン1方式としては、世界最大です。
たて4.86メートル 横10.24メートルの大映像
―――かなり、横長ですね。
黒板の端から端まで映りますよ。アニメ上映は、中央部分だけ使います。
―――今後、街中にますますLEDがあふれるんでしょうね。
信号も、LEDを実験的に使っています。太陽がまぶしいと、どの色が光っているか分かりませんからね。
成田空港の第2ターミナル到着ロビーには、正本堂と同じ製品が設置されているそうです。大きさはずっと、本会のより小さいのですが。
これからは、LED(発光ダイオード)の時代です。正本堂のLEDは、まさに時代を先取りした、最新鋭装置なのです。
プロジェクト2000畳