止まらぬ自殺、子供たちに真の「生きる力」を

元小学校長 柳 政志(仮名)

中学教員の時、卒業した男子生徒が、胸に電気コードを当て、自殺しました。成績優秀でしたが、家庭の事情で進学できず、失望したようです。教育者として無念の思いを禁じえませんでしたが、今日の教師は、さらに戸惑っているのではないでしょうか。

子供たちの自殺は急増し、平成10年には、前年より、4割も増加しています。
女子高生2人が、東京都内のマンションから飛び降りましたが、残された遺書らしきものには、「理由はない。しいて言えば疲れたから」と書かれていたといいます。ほかにも、「忘れ物をしたから」「運動会があるから」「先生にしかられたから」と生徒たちは、信じられない理由で命を捨てているのです。

この異常事態を受けてか、平成10年、当時の文部省は、「生きる力」を重視する教育方針を検討し始め、理由のいかんを問わず死んではならないと訴えました。しかし、そんな一片の言葉だけでは、現場の生徒の苦しみは解消せず、問題は少しも解決しないでしょう。

それどころか、平成11年12月9日、鹿児島県徳之島町の小学校長が、飛び降り自殺をすると、12月15日、三重県伊勢市の県立高校長が、首つり自殺。

12月17日、鹿児島県天城町の小学校長が、割腹自殺。
12月31日、鳥取県赤碕町の小学校長が、首つり自殺。

「生きる力」を教えるはずの校長が、生きることを放棄する悲劇が相次ぎました。どうして、これで子供たちの自殺を止められるでしょうか。
「生きる力」を知らない教師に指導される子供は悲劇です。
子供たちに教えるべき"生きる力"とは、換言すれば、「なぜ苦しくとも生きねばならぬのか」の答えでしょう。

人身受け難し、今已に受く

釈尊のお言葉を根底に据え、"よくぞ人間に生まれたものぞ"の生命の歓喜を得るための命であることを教えて、初めて、子供たちも心から納得できると思います。

教育に携わる方々や、世の保護者の皆さん!親鸞聖人のみ教えを学んで、だれの命も等しく尊いことを、子供たちに教えていっていただきたいと、荒廃した社会を見るにつけ、願わずにおれません。

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