警鐘・親鸞聖人の教えと異なることを語る者たちの特徴 (2/3)

群賊・悪獣・悪知識
~親鸞聖人の教えにないことを語る者たち~

 群賊悪獣とは、善導大師(※1)の有名な「二河白道の譬え」(※2)に出てくる仏教の言葉で、求道聞法を妨げる一切をいいます。

 今日、各人各様の“救われた”体験を語り、親鸞聖人の教えを真面目に求める親鸞学徒に忍び寄ってくる群賊悪獣たちがいます。それらの言うことは、親鸞聖人・覚如上人・蓮如上人など善知識(※3)方のご教導といかに違っているかを、よく知っておかなければなりません。群賊悪獣に迷わされ、親鸞聖人の開顕なされた三願転入の道を踏み外さぬよう、ここでしっかり学びましょう。

※1 善導大師
約1300年前の中国(唐の時代)の人。親鸞聖人は『正信偈』に、「善導独明仏正意」(多くの僧侶がいたが、「仏の正意」に明らかであったのは、善導大師お一人であった)と絶賛されている。 「大心海化現の善導」(仏さまが、極楽から姿を変えて現れられた方)とも言われている。

※2 二河白道の譬え
彼岸(弥陀の浄土)に向かって白道を往く聞法者を、恫喝し、攻撃して、聞法求道を妨げる者たちを群賊・悪獣・悪知識という。悪知識とは仏法を間違って教える者のこと。

※3 善知識
仏教を正しく教える人。

説かれぬ三つの理由

ブラジル 親鸞会講師部 細田光一郎

 親鸞聖人・覚如上人・蓮如上人がなぜ、親鸞会発行のパンフ『生々しい体験記こんな信仰経歴もある』の、三原さんのような各人各様の体験記を書かれなかったのか、ご教導をまとめてみました。親鸞会

 一つは、他力信心は各人各様の体験で表すことは絶対にできないから。表そうとしても、そこに表現されたものは、「智慧各別なるが故に信また各別なり」の自力信心でしかない。

 二つには、万人一味の他力信心まで人を導くには、万人共通の道程を示さねばならず、「いつ、どこで、誰から、どのようにして」という、一緒には絶対なれない各人各様の体験を人に押しつけても、その目的を果たすことはできない。それでも体験談を話すとすれば、“自慢”“自己宣伝”以外にありません。

 三つには、各人各様の、「恐ろしい罪悪に号泣した」「心がパッと明るくなった」などの体験談は、聞いた人が猿真似をして自己暗示にかかり、人工信心の温床になるということです。

三願転入に反すれば

富山県 親鸞会会員 森沢信吾

 親鸞聖人も覚如上人も蓮如上人も、阿弥陀仏に後生の一大事を救われ、今、往生一定の身にしていただいたとハッキリ仰っています。

 どのようにして救われたのか、私たちがいちばん聞きたいことについて親鸞聖人は、ご自身のお名前を出されて三願転入のお言葉で教えられています。覚如上人や蓮如上人には、そのようなお言葉がありません。

 なぜなのか?三願転入は、親鸞聖人ご自身の体験を、阿弥陀仏のお言葉で表現されたとお聞きし、疑問が氷解しました。

 各人各様の話は、その人しか当てはまらず、「教え」になりません。すべての人に共通する言い方をするには、十方衆生が相手の弥陀の本願のお言葉を示すしかありません。三願転入のご教導以上の説き方はないと、覚如上人も蓮如上人も熟知なされていたからこそ、聖人一流を明らかにすることに徹せられたと知らされました。聖人のお言葉は弥陀の直説と言われる一端に触れる思いがしました。

 同時に、「18願だけで救われる」「方便は要らない」などと言う群賊悪獣たちは、親鸞聖人の三願転入のみ教えと相いれないのですから、親鸞聖人と異なる信心なのは明らかです。いかに彼らが、“救われた”と吹聴しようが、そんなもの後生の一大事を解決し、往生一定の身となることと何の関係もない、無意味なたわごとにすぎないとよく分かりました。

>>各人各様の体験談で万人平等の信は表せない

  

 

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