親鸞学徒の勤行
『聖人一流章』の拝読を
聖人一流の御勧化の趣は、信心をもって本とせられ候。
その故はもろもろの雑行をなげすてて、一心に弥陀に帰命すれば、不可思議の願力として、仏の方より往生は治定せしめたまう。
その位を「一念発起・入正定之聚」とも釈し、その上の称名念仏は、如来わが往生を定めたまいし御恩報尽の念仏と、心得べきなり。 (蓮如上人)
親鸞聖人のお書きくだされた『正信偈』と、ご和讃六首を、無上仏の御前で拝読する勤行の習慣は、蓮如上人が福井県・吉崎ご在住のころに定められたといわれる。
超世希有の他力の勝法に遇えた喜びを、朝夕2度、家族が仏前に集まって讃嘆することは、得がたい仏縁であり、蓮如上人は強くお勧めになられている。
以来、親鸞学徒は朝な夕なこの勤行を欠かさず、朝には仏徳に触れて一日を始め、夕には仏祖への感謝とともに一日を終えた。
勤行は親鸞学徒の基本中の基本。
決して欠かしてはならない。少しでも無上仏に親近させていただこうとする、その心掛けこそが大切なのである。
今日では、『正信偈』、六首ご和讃のあとに、蓮如上人の『御文章』を拝読させていただいている。
その、数ある『御文章』の中でも、特に有名なのが「聖人一流章」だ。
古来、このお手紙が親しまれてきた理由は、単に短いだけでなく、親鸞聖人のみ教えが、余すところなく完璧に凝縮されていることにある。
そのようなお手紙は、他の『御文章』の中にもない。
だから勤行では、この「聖人一流章」を拝読するのが望ましい。
その正しい意味を知れば、日々の勤行は、一層尊い勝縁となろう。次のページに、大まかな意味を掲載した。