偽なる者は甚だもって多し
「然るに濁世の群萌・穢悪の含識、乃し九十五種の邪道を出でて、半満・権実の法門に入ると雖も、真なる者は甚だ以て難く、実なる者は甚だ以て希なり、偽なる者は甚だ以て多く、虚なる者は甚だ以て滋し」 (教行信証)
これは外道の者が、折角、仏縁を結んでもと、いうことだけのことではなかろう。
「真なる者(真実信心の人)は甚だもって難く、
実なる者(真実信の人)は甚だもって希なり。
偽なる者(安楽椅子の人)は甚だもって多く、
虚なる者(安楽椅子の人)は甚だもって滋し」とも、仰っている親鸞聖人のお言葉である。
安易に座れる椅子は満ちている。勧める者も数多い。襲いくる群賊悪獣悪知識のその中を、千万の化城(安楽椅子)を突破して
「常没の凡愚・流転の群生、無上妙果の成じ難きにはあらず、真実の信楽、実に獲ること難し」 (親鸞聖人)
「信を得る者希なり」 (蓮如上人)
の聖語を、全身で聞き獲るものこそ、まことの親鸞学徒である。