大乗無上の法を伝える 「従真垂化」 (2/3)
我利我利は聞き誤り
私たちが聞き求めている教えは、大乗仏教の教えであり、大乗仏教の精神は、自利利他です。
私たちの本性は、自利しか考えない。我利我利が本性ですが、その心を見つめて、まず相手のことを考える。自分のことしか考えられない自分だと知らされれば、知らされるだけ、その心を凝視していく。
それが、最も大事な心掛けです。
この真実の教え、だれも知らない無上の道を知らされた者は、必ずその喜びがあります。「自分だけで喜んでいればよい」というのは、仏教の聞き誤りです。
「自分だけのことを考える」、それでは、我利我利亡者の小乗仏教で、大乗無上の仏教になりません。
大乗仏教は、自利利他の教えです。自分が知らされた喜びを、一人でも多くの人に伝える、そういう気持ちに自然になってくる。
いつも言う例えですが、おいしいソバ屋に偶然入って、大変おいしかった。
「ソバが食べたくなったら、あそこへ行って、自分だけでまた食べよう。人には言わない」
そんなことは決してない。一人でも多くの人に、
「おいしいソバ屋がある、一度だまされたと思って行ってみたらいい」
と、言わずにおれなくなる。
世間事でさえもそうです。ましていわんや、無上の法に遇った喜びがあるはずです。