教えが大事、連れが大事
新型コロナウイルスとの闘いに、出口はまだ見えません。第二波、第三波が来れば、さらに深刻な被害が予想されます。国は、人類は、いつまで耐えられるのでしょうか。しかし、新型ウイルスの発生する前から、世界では毎日、15万人が亡くなっていたことを忘れてはなりません。
感染病で初めて死ぬようになったのではなく、生まれた時から、死ぬことに定まっているのです。わたしたちは、早くこの一大事に驚き、解決を急がなければならないのです。
それには「仏法は聴聞に極まる」ですから、外出が規制されていればなおさら、スマートフォンやタブレット、パソコンなど文明の利器を駆使して、聞法のご縁を増やす心掛けが肝要です。
ですが私たちは、どうしても都合よく聞きがちですから、法話の内容を振り返り、不審を尋ねる仏法讃嘆が欠かせません。
それを蓮如上人は懇切に、重ねてご教示くださっています。
「わずかひと言、聴聞しても、都合よく聞いているものです。だから、まず第一に真剣に聞かせていただき、それから自分の理解をありのまま、法友と語り合いなさい」
〔原文〕
「一句一言を聴聞するとも、ただ得手に法を聞くなり。ただよく聞き、心中の通りを同行に会い、談合すべきことなり」
(『御一代記聞書』137)
「仏法では、讃嘆が最も大切です。よくよく話し合って、正しく理解しなさい」
〔原文〕
「仏法は、讃嘆・談合にきわまる。よくよく讃嘆すべき」
(『御一代記聞書』201)
仏法讃嘆は、聴聞の直後がいちばん、よいのです。たとえ法友と離れ離れでも、インターネットで、いくらでも語り合えます。その際、大切なのは、蓮如上人が「物を言え物を言え」と諭されているように、思ったままを口に出すことです。
「私は、このように聞かせていただきました」と理解を確かめ、疑問点は、とことん尋ねましょう。黙っていては、何を考えているのか分かりませんから、全員が発言しやすい雰囲気が求められます。
それには、直接、会えない今だからこそ、法友に心をかけ、ともに助け合って、親しくなることが重要なのです。「濃厚接触」できないことを、人間関係を深めるチャンスにすれば、転悪成善となりましょう。
「専修正行の繁昌は遺弟の念力より成ず」(蓮如上人)