ナターシャの「ロシアより愛をこめて」
THE WORLD MEETS BUDDHISM
ロシア東部の町に生まれる。
ウラジオストクの海洋国立大学・経済学部卒業。
在学中に、富山大学に留学し、
親鸞聖人のみ教えと出遇う。富山市在住。
美しい町とおいしいご飯・ニッポン大好き
第1回
皆さん、ズドラーストヴィチェ!(こんにちは)ナターシャです。早いもので、今年で来日三年になります。
親鸞聖人の教えを深く知らされるにつけ、ロシア東部の小さな町に生まれた私が、どうして今、日本にいるのか、と感じずにおれません。
語学が得意だった私は、大学で英語を学びたいと思っていました。けれど、第一志望の文学部の試験に落ちてしまい、やむなく経済学部へ。
「でも、趣味として、何か一つ、語学を習得したいなぁ」
と思って、学内の語学講座を申し込みました。そこでの選択肢は、中国語、韓国語、日本語でした。経済大国である一方、着物や茶道、華道など、ヨーロッパとは全く違う文化の“ミステリアスな日本”。そんなイメージで、迷わず、日本語を選択したのです。
暗記ものが得意なので、めきめき上達し、5年前、鳥取県で開催された「外国人による日本語スピーチコンテスト」にロシア代表として出場しました。それが初来日になります。
「日本人とロシア人の時間感覚」が、私のテーマでした。ロシアのバスはいつ来るのやら分からず、人々は停留所でひたすら待つのです。なのに、日本には「時刻表」があり、そのとおりにバスが来ないと、皆イライラする。日本語の先生からそう聞いて、
「信じられない!」
と驚いたことを発表し、何がよかったのか、中国、韓国などの学生を差しおいて、優勝できました。
この時に訪れた鳥取砂丘や山々の美しさ、初めての温泉、親切な人々との出会いは、素晴らしい思い出になりました。白いご飯とおみそ汁も、おいしかったのです。
中でも印象に残ったのは、町の清潔さです。ゴミが落ちていないことに、感動すら覚えました。
「また、日本に来たい!」
日本語の勉強に、一層力が入ったのは言うまでもありません。これも無上仏のお導きだったのでしょうか。
やがて、二千畳の親鸞会館のある富山県に留学する経緯は、次回に。
ナターシャのロシアより愛を込めて 第1回
ナターシャのロシアより愛を込めて 第2回
ナターシャのロシアより愛を込めて 第3回
ナターシャのロシアより愛を込めて 第4回
ナターシャのロシアより愛を込めて 最終回