やっと出遇えた「なぜ生きる」

親鸞会 本尊

 優しい夫、かわいい子供に囲まれ、誰からもうらやまれる幸福の中にあった斎藤さん。
 だが「幸せと思える瞬間に、幼いころから抱いていた死の不安が、ふっと頭をよぎるのです」。
 高森顕徹先生監修の『なぜ生きる』を通して、親鸞聖人の教えに出遇えた斎藤さんに、その心の軌跡を聞きました。

「十分幸せじゃない、それ以上何を求めるの?と言われました。
 でも例えば、ビルの屋上から一人一人、順番に飛び降りねばならないとして、〝立っているだけなら何の不安もない〟と言う人あるでしょうか。その列に並んでいながら、
〝まだ自分の番じゃないから大丈夫〟なんて、安心できなかったんです」

 死の不安を意識するようになったのは、小学校に入る前からだった。

 テレビのニュースで、死が報じられるのを見聞きするたび恐怖を感じた。
 昼間は友達と無邪気に遊ぶ普通の女の子だったが、夜、電気を消して布団に横たわると、どこからともなく自分の死のカウントダウンが聞こえる。
 家族や友達に、「死ぬの怖くない?」と尋ねても、「まだ死なないよ」「憶病だね」と、まともに相手にされない。
 自分だけが異常に思え、死の不安を心の奥底へ押し込めた。

「書店に行くと、なぜか目に飛び込んでくるのは、いわゆる人生本でした。
 立ち読みしては、満足できずに閉じる、その繰り返し。
 よく店頭に並ぶ瀬戸内寂聴さんの本も読みましたが、『心の持ちようが大切』『大事なのは笑顔でいること』という、生きていくエールばかりで……」

 知りたいのはそういうことではなかった。
 どんなに頑張ってもいずれ死ぬ。
 その事実を無視して、〝前向きに生きよ〟は、ごまかしじゃないのか。
答えを期待するほど落胆する。
 この手の本は読まないほうがいいと思った。

 やがて『人生の目的』という五木寛之氏の本がベストセラーになる。
 つい手に取ってみると、「かつてないショックを受けました。このタイトルならきっと何かあると思って読んだのに、結論は『目的はない』と書かれてあったからです」。
 しかも五木氏は、「目的はない」としながら、「生きることは素晴らしい」と言う。

 死の問題を放置したまま、どうして生きることが素晴らしいといえるのだろうか、全く受け入れられない。
 もう二度と人生本は読まないと誓った。

親鸞聖人の断言

 それから数年後、再び書店で立ち止まった。

〈人生の目的は何か〉
 本の帯に青い文字でハッキリ書かれてある。
『なぜ生きる』。親鸞聖人の教えの本だった。本当にこれが最後、と意を決して読み始めた。

「一部は興味深く読んだのですが、二部に入ると、『宗教の話はいいから、早く人生の目的を教えて……』という気持ちで読み流してしまったんです」
 目的が書かれてあるかどうかも分からないまま、本棚に片付けてしまいました。

 しかしその後、伯母と祖父母が、立て続けに亡くなり、また死のことが頭から離れなくなる。

 みんな死んでいくのに何のために生きてるんだろう?
 その時もう一度開いたのが、『なぜ生きる』だった。

 今度は一部よりも二部の親鸞聖人のお言葉に強く引かれた。
「〈人生の目的はあるのか。〝あるから早く達成せよ〟〉  まず冒頭のこの断言に、ドカーンときたんです。
 そして一文一文、なるほどなるほどと、うなずきながら食い入るように読みました。
 この本は、『生きる目的を見つけよう』とか、そんなレベルの本じゃない。ほかの人生本と全く次元が違う。とにかくすごい!完全に理解したわけでもないのに、続きを読まずにおれなかったんです」

 繰り返し拝読するうち、仏教では、死んだらどうなるかハッキリしない心(後生暗い心)を「無明の闇」と説かれていると知り、驚きと喜びが噴き出した。

 翌年、知人から、地元での高森顕徹先生のビデオご法話を教えてもらい、足を運んだ。
「宗教に慎重派だった私ですが、『なぜ生きる』でも、ご説法でも、先生は常に、親鸞聖人のお言葉を示してお話しくださる。その説得力に圧倒されたんです。
 ご自分の思いや考えを話されているのではないんだと感じました。

 昨年、降誕会で初めて二千畳に参詣した時、めちゃめちゃ感動しました。いつもビデオで拝見していた高森先生が、目の前でご説法くださっている!
 二千畳で法友と勤行した時も、法友と喜びを語り合えるのもうれしかった。もっと早く出遇いたかった」 

 降誕会のあと、「親鸞学徒になりたい」と夫に打ち明ける。
「宗教はダメ」と言われるかと構えたが、「おまえがいいと思うものなら間違いないよ」と言ってくれた。

「信じてくれた夫に感謝しています。この人と一緒になれて本当によかったと思います。今の幸せを大切に、光に向かって進ませていただきます」

(プライバシー保護の為、個人名は仮名にしてあります)

 

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217苦しい息の中から、夫は懸命に仏法を伝えておりました
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212"命は平等"ってホントなの!?
211まどろみ人生 スイッチオン!
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205「これこそ真の浄土真宗や」
204真宗の正しい御本尊
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200>父母の恩 重きこと 天の極まり無きが如
199体験話に迷わされた23年
198非行・非善の念仏 探し続けた その真意
197三木清から『歎異抄』へ
196>親鸞聖人の教えを聞くのが好き!
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194苦難の人生 届いた光
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192幸せロボット 作りたい
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176やっと出遇えた「なぜ生きる」
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1692人で182歳 幼なじみと
16890代車いすで夫婦そろって
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16640年求め 親鸞聖人の教えと再会
165教えを伝える遺弟が「真宗万年の礎」に
164最も困難で素晴らしい道
163親鸞学徒に孤独なし
162家族揃って親鸞会館へ
161親のご恩 仏縁あればこそ
160夫婦で親鸞学徒に
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158夢のプランに至福の日々
157親鸞聖人のみ教えで一つに2
156親鸞聖人のみ教えで一つに
155正御本尊をわが家に
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153万人が同じ喜びの世界へ
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151「ドメインの力、感じます」
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149前田町に参詣以来 40年ぶり
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126「ロシアより愛をこめて」第2回
125父を変えた弥陀の大願力
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121ナターシャの「ロシアより愛をこめて」
120“歎異抄”の真意海外へ 二千畳に米国教授も参詣
119いつまでたってもキリがない
118無気力な少年が一転 医師を目指す
117顕真学院の研修に参加して
116哲学書を読みあさっても分からなかったこと
115徹しきられた浄土の慈悲
114「煩悩具足」の聞き誤り
113〝ただ念仏〟の〝ただ〟に驚く
112唯円が生きていたら
111越せぬ壁の内側から
110『歎異抄をひらく』で生まれ変わる『歎異抄』
109龍谷大学でも聞けなかった「一念」
108光は東洋にあった
107歎異抄とは
106やっと遇えた 真実の仏法
105仏法とのご縁は末代の宝
104どんな姿でも生きねばならない理由
103『歎異抄』読めど分からず
102親鸞会で知った、歎異抄の本当の意味
101疑問だった「死んだら極楽」
100毎日楽しければいいと思っていました。
99正信偈を教えてもらえる。行こう
98いじめで死ななくてよかった
972000畳の親鸞会館に感動
96脱・ひきこもり
95私も親鸞会会員に 八十八箇所 彷徨の果て
94ポジティブなエンジニアになれる
93私も親鸞会会員に 97歳 平生業成に驚き
92ニート少年が大変身
91サイデンステッカー教授
90『正信偈』にこんな意味が
89因果の道理を信じて、苦境を越えた
88宗教は何を救う!?
87かくて少年はニーチェを捨てた
86彫刻と私 光はさした
85山で暮らしても
84正しい教えは、2000畳をも狭くした
83上を目指してきたけれど
82なんのために勉強をするのか
81太宰治もわからなかったこと
80今、死ぬわけにはいかない
79正信偈の意味が分かった
78亡き妻に感謝
77こうまでして仕事をしなければならないのか
76生長の家から親鸞聖人の教えに
75働くために生きているのではない
74会計士の本当の仕事
73因果の道理を知ればこそ
72生きてきた中で一番幸せ?
71尊い人命 ロボットで救う
70瞳に光 聞法の夜明け
69会社人間で終わりたくない
68患者の立場に立った医療を
67家族で仏法を
66人生の荒波に翻弄されている人に、真の幸せを
65仏法がその答えを教えてくれた
64利他の精神でカウンセリング
63これこそ真実だ!と思いました
62仕事を元気に続けられるのは聞法あればこそ
61自己を磨く
60感謝の心で乗り切る
59因果の理法を仕事に生かす
58「なぜ生きる」の光をすべての人に
57広告のスペシャリストに
56何かあるに違いないと思った
55「因果の道理」が仕事の推進力
54万人共通のもの ?生老病死?
53頭上に満天の星
52モンゴルでの生活
51ハラホリンの草原をゆく
50大草原の風の説法
49自殺危機からの救出 人生の目的あればこそ
48ジャーナリズムの現場から
47突きつけられた問い"なぜ生きる"
46ある医学部生の体験
45北国から2000キロ 無常との競争
44聞法だけが人生の価値ある時間だった
43友の言葉が突き刺さった
42自殺願望の果てに
40難問にであう
39真の医療って?
38団塊は第2の人生に燃ゆ
37涙の底に光あり
36もっと『不都合な真実』
35世界が生き返った
34修羅場なればこそ
33生んでくれてありがとう
32何で俺を生んだんや
31自殺してはならぬ理由
30こんなまめな人とは知らなかった4
29こんなまめな人とは知らなかった3
28こんなまめな人とは知らなかった2
27こんなまめな人とは知らなかった1
26人生は無意味ではない
25蓮如上人のお言葉に感動
24死んだら楽になれるのか
23自殺は愚かな行い
22子供たちに生命の尊厳を
212000畳で真如の月を
20両親との問答
19あっという間の二日間
18一念で千古の闇室に光
17聖人の大きなご恩
16摂取の光明に包まれ
15白骨の章
14死の恐怖体験
13ひきこもり寸前だった私が…
12私は仏法で自殺を思いとどまった
111%の希望が実現
10今日はいちばん幸せな日
9これが仏教だったのか!
8輝きだした生徒の瞳
7生きる光 ここに
6心渇き、荒れた少年時代
5「仏説まこと」を実感
4法友と励まし合って
3心にズッシリ「なぜ生きる」の重み
2慕われる医師に
1何のための延命治療か

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