ナターシャの「ロシアより愛をこめて」第3回
THE WORLD MEETS BUDDHISM
ロシア東部の町に生まれる。
ウラジオストクの海洋国立大学・経済学部卒業。
在学中に、富山大学に留学し、
親鸞聖人のみ教えと出遇う。富山市在住。
仏教に出遇えた日本、
親身に話してくれた法友とも、さようなら……
第3回
「お釈迦さま」と聞いても分からなかったのは、ロシアでは「ブッダ」といわれているからです。後で講師の方から説明を受けて、ようやく分かりました。
ご説法にすごく感動したので、その後、週2回、高森先生のビデオご法話を聴聞するようになりました。私はけっこう、好奇心旺盛で、何でもとことんやらないと気が済まないのです。
続けて聞くうちに、苦しい人生、なぜ生きるかを明らかにされたのが親鸞聖人だと分かってきました。
でも、道は平坦ではありませんでした。
ご説法には難しい言葉がたくさん出てきます。先輩に質問したり、自分で辞書を引いたりしますが、なかなか理解できず、だんだん弱気になって、3カ月ぐらいすると、この道もう進めないのでは?と思った時期もありました。
そんな時、法友が親身になってじっくり教えを話してくれたので、何とか立ち直り、聞法を続けることができました。
大学に通いつつ、親鸞聖人の教えを聞くという毎日は、とても充実していました。
お釈迦さまの名前さえ知らなかった私ですが、平成16年、晴れて親鸞会の会員になりました。
光陰矢のごとし。1年間の留学も終わりに近づきました。仏法と出遇い、法友ができて、この1年で私は、日本にますますほれ込んでしまったのです。
「離れたくない!」
しかし、休学中のロシアの大学を卒業せねばならず、後ろ髪を引かれる思いで帰国しました。
ソ連の崩壊以後、ロシアの自殺率は世界でも際立って高いといわれます。また、ウォッカにおぼれるアルコール依存症も多いのです。難度海を明るく楽しく渡す大船を説く人もなく、聞く人もない、キリスト教国家です。
ウラジオストク港から、海の彼方の日本を思い、もう一度、親鸞聖人の教えをお聞きしたいと心が叫ぶのでした。
(つづく)
ナターシャのロシアより愛を込めて 第1回
ナターシャのロシアより愛を込めて 第2回
ナターシャのロシアより愛を込めて 第3回
ナターシャのロシアより愛を込めて 第4回
ナターシャのロシアより愛を込めて 最終回