“名号本尊”は親鸞聖人のお勧め|親鸞会 顕正新聞
御本尊とは読んで字のごとく、根本に尊ぶべきものであり、仏法者にとって最も大事なものである。
その御本尊を、親鸞聖人は、一生涯、御名号となされた。
その理由は、『大無量寿経』の本願成就文に「聞其名号 信心歓喜」とあることによる。
だからこそ、親鸞学徒は、親鸞聖人の勧められるとおり、御名号を本尊としてご安置し、朝夕礼拝させていただくのである。
その聖人の教えに背き、木像本尊で統一してきた真宗界でも、最近、変化が見られるようになった。
教学伝道研究センター所長が月刊誌『宗報』に、「『南無』まで含めて本尊とするのであり、『阿弥陀仏』だけを本尊とするのではありません」と書くなど、正しい御本尊は南無阿弥陀仏の六字の名号と、認めざるをえなくなっている(※)。
※参照:止まらない御名号本尊への流れ
聖人のお勧めにしたがい、御名号本尊にされた皆さんの声を紹介する。
“南無六字の城”御仏壇は私たちの手で
東京都
学生やサラリーマンがひっきりなしに行き交う高田馬場駅近くに、東京の親鸞学徒が集う「新宿ミーティングルーム」が誕生したのは昨年末のこと。
その物件探しに尽力した荻野光男さんは、「皆が集う場所にふさわしい御仏壇を、ぜひ私たちで準備させていただきたい」と今春、新たな御仏壇をご喜捨した。
「信心獲得一つが人間に生まれた目的ですから、大切な御本尊の荘厳、心がけていきたいと思います」
弥陀より賜るのは南無阿弥陀仏。
ならば御本尊は御名号に
福岡県 三城義明
仏壇は、妻を亡くした7年前に求めた。仏壇と一緒に届いたプラスチックの木像に、“本尊とはそんな安直なものなのか”と違和感を覚えた。だがそれでも、死ねば皆極楽なのだからと、そのままにしていた。
愛妻をしのび、『正信偈』を拝読するようになって、その意味が知りたくなる。チラシ案内で知った勉強会をきっかけに2年前から聞法を始めた。
弥陀より南無阿弥陀仏を頂かねば浄土往生は絶対できないと知り、
「ならば御本尊は御名号でなければと思いました」
さらに、阿弥陀仏が南無阿弥陀仏を完成されるのに五劫思惟、兆載永劫のご苦労をなされたと聞き、昨年11月、正御本尊をお迎えした。
「間もなく妻の七回忌、家族も仏縁を結ばせていただけると思うとありがたいばかりです」
クリスチャンから親鸞学徒へ
蓮如上人のお言葉にしたがい御名号本尊に
福岡県 佐古田幸雄
5年前に亡くなった妻が、「葬儀は浄土真宗でしてほしい」と遺言した。
真宗門徒でありながら10年前にキリスト教の洗礼を受けていた佐古田さんは、その遺言をきっかけに、親鸞聖人の小冊子の購読を始める。やがて地元の勉強会や富山県射水市の親鸞会館にある二千畳にも参詣するようになり、「これが本当の浄土真宗だったのか」と、クリスチャンから親鸞学徒に転身した。
佐古田さん宅を訪れた親鸞会講師は、最も尊ぶべきものが御本尊であり、蓮如上人の「他流には『名号よりは絵像、絵像よりは木像』というなり。当流には『木像よりは絵像、絵像よりは名号』というなり」の蓮如上人のお言葉とその意味を伝えた。
深くうなずいた佐古田さんは、「木像があるのはおかしいですね。木像は持っていってください」と申し出た。
「今は仏法一筋。妻が導いてくれたと思わずにおれません」
(プライバシー保護のため、個人名は仮名にしてあります)