96歳 人生の大転機
広島県 森岡英俊
「この世でハッキリ弥陀に救い摂られる。そんな世界があるんですね。この年になってこんなに感動するとは思ってもいませんでした」
大正2年生まれの森岡さんは、第二次世界大戦、シベリア抑留を経験し、ロシア語、中国語を流暢に話す。
詩吟や書道をたしなみ、漢詩はNHK主催の文化講座で講師を務めるほどだったが、
「いろいろと広く浅くやってきましたが振り返れば、これといって残るものはありません。このままガラクタの人生で終わるところでした」。
一つを深く学ばなければ本物ではないと思い始めたころ、親鸞聖人のみ教えに出遇う。
真宗の盛んな広島で生まれ育ち、「自己を徹底して掘り下げられた方」と聞いていた親鸞聖人に、かねてより敬慕の念を抱いていた。
「親鸞会に出遇い、96歳にして人生の一大転機を迎えました。高森顕徹先生のお話は本当に分かりやすい。スカーッとしますね。もうこの道一つに決めました」
親鸞学徒となり、昨年10月、初めて親鸞会館に参詣した。
「ここに来られている皆さんは普通の人とは思えません。特別の方のように感じます」
親鸞会館には、「煩悩即菩提」「廃立肝要」など、至るところに法語が掲げられていることに感銘を受けた。
「それだけ深い教えがあるからですよね」と語る。
支部の年末行事で、カチューシャを日本語、中国語、ロシア語で堂々と歌いあげ、拍手喝采。
「今度は詩吟で『南無六字の城』を吟じたい。人生の荒波に翻弄されてきたのも、このご縁に遇うためのご方便であったのかと感謝せずにおれません」
(プライバシー保護のため、個人名は仮名にしてあります)