光に向かう青年たち2(1/3)
親鸞会で仏法を聞き、現在社会の一線で活躍する青年たちに、仏法を聞き始めた動機と、今の仕事について語ってもらいました。
「なぜ生きる」の光をすべての人に
大口理美(仮名・埼玉県・老人福祉施設 事務職)
1)現在の仕事
親の営む老人施設で事務職にあたっております。大学時代から手伝いをしており、また仏法を伝えやすいように、卒業後はそのまま就職しました。事務業務の他、相談業務や介護業務の手伝いなど致しております。事務量が増えて、最近はなかなか介護等の時間が取れていないのですが、わずかでも入居者さんと接する時間、会話を大切にしたいと思っています。
2)仕事の魅力・やりがいは?
人生というものを考えられる場所というのが一番の魅力だと思います。老人ホーム、特に特別養護老人ホームは在宅復帰施設を目指す試みもありますが、終末施設としての役割が大きく、今後もますます増床政策が進められております。これまでたくさんの苦労を重ね、精一杯生きてこられ、住みなれた家、家族から離れ、この施設を終の家とされた人達をあたたかく包み、一つの家族にようになって、一緒に過ごすことでその人が、「生きてきてよかった、幸せだった」と思い、感じてもらえるよう、その人の人生、人生の最後に関わっていく、本当にやりがいのある仕事だと思います。
3)どうして仏法を聞かれるようになったのですか。
幼い頃から病弱で、始終病院通いをしておりました。そのことから救いを求めて邪教に迷ってもおりました。苦しくてもなぜ生きるのか、あてもなく生き方を探しておりました。
家で本を読んで過ごすことが多かった中で私が惹かれたのはナイチンゲールとシュバイツァーの伝記でした。精一杯生きよう、自分の存在を喜んでくれる人達のためにも。できれば少しでも誰かの役に、幸せに役立つことをしようと考えていました。しかし、私の知っている幸せはいつか必ず崩れる、裏切る幸せだと知らされました。人生の目的、本当に幸せになれる道を知ることができました。これこそ私の、全人類の求めるものとわかりました。「なぜ生きる」目的あってこその人生、遇えた私は本当に幸せです。
4)仏法が仕事にどのような影響をあたえていますか。
どんな苦しみ悩みも枝葉にすぎないと、苦悩の根元を知らされたこと人生の目的を知らされたことは本当に幸せなことと日々実感です。このみ教えがあればこその人生で、仕事も何もかも、施設も介護も意味が生まれると知らされます。これがこの人の最後の食事かもしれない、笑顔、おしゃべりかもしれない・・スタッフ皆、これが最後になるかもしれないという思いで仕事が行われる中、死と老いとの戦い、苦しみの中で、光となるのは仏法だけです。「なぜ生きる」の光です。自分が頂いた幸せを、関わる人達、一人でも多くの人達と分かちあい、共に目的に向かいたいと、仕事をそのための縁としたいと思っております。
5)今後の夢
施設の中で仏法勉強会のご縁を設けることができればと思っております。本当に生きて生まれてよかったと心から喜んで頂きたい、施設がその縁となれる・・それがただ一つの夢です。