最も困難で素晴らしい道
外科医 Hさん
「最先端の医療を身につけるのは当然ですが、“技術より人格”と常に教えていただきます。手術の説明や病名を告知する時、どう言えば相手が安心満足されるか、四六時中、考えています」
外科を選んだのは、最も困難で素晴らしい道と思ったからだ。「外科の場合、多くの患者は医師に命を預けることになります。『一緒に頑張りましょう』と心を一つにして臨み、手術後、成功をともに喜び合える。その信頼関係は大変強いものがあります」。退院後もH医師を慕う人は多い。
「最近は訴訟が増え、日本全体がリスクを避ける萎縮医療になっているといわれます。『頑張っても訴えられるなら適当に終わらせよう』と本気で治療しない。そんな医師も少なくありません」。しかし親鸞学徒は、この世だけでない “永遠の生命”を知らされている。「何のためにこの方の病を治すのか。一念の弥陀の救いにあい、人生の目的を果たしていただくためです。その原点があるから、どんな場合も精一杯の治療をします」
大阪府の病院に勤務していた時は大腸ガンの早期発見率、手術成功率の高さが評価され、週刊誌に紹介された。
「多くの若人に、この道を進んでほしい。命の尊厳を知る医師は、世界中で求められているのです」