被災して知らされた不滅の光
阪神大震災・体験者の声|親鸞会
16年前、阪神大震災で被災した親鸞学徒から、この度の東日本大震災で被災された方々に、多くの励ましの声が寄せられています。
■兵庫県 S.Hさん
被災された皆様へ、どんな言葉も見つからない気持ちです。
16年前の震災時、多くの皆様に支えられ、助けていただきました。
瓦礫の前に立ち尽くす無力感と絶望感の中で、翌週の三重県での高森顕徹先生のご法話は今も忘れられません。
「たとい大千世界に 満てらん火をも過ぎゆきて
仏の御名をきく人は ながく不退にかなうなり」
その親鸞聖人のお言葉を、初めて聞くように厳しく深く、心に刻みました。
親鸞聖人の教えを聞かせていただき、自分が何を失ったのか、考えさせられました。この世の全ては借り物で、置いていくものばかり。
でも私には仏法を聞けるこの体がある。これが「生きる」ということではないか。だとすれば何も失ってなどいない。
生きて仏法を聞かせていただける、これ以上の幸せのないことを知らされました。
■兵庫県 H.Hさん
16年前、阪神大震災に遭いました。
大好きだった神戸の町が瓦礫の山になってしまいました。
自分の健康も失ってしまったことなどで、もう生きていけないと、何百遍、思ったか分かりません。
でも、阿弥陀仏のご念力、親鸞聖人の教えによって、絶対に死んではならない理由を知らされました。今まで生きてこられたのは、弥陀の呼び声を一念で聞かせていただけるという希望があったから。
どんなに困難でも、希望の光は不滅です。
■大阪府 M.Kさん
阪神淡路大震災は、大阪の自宅で被災しました。
激しい揺れで、家具は倒れ、食器や大事にしていた、たくさんのものを一瞬にして失いました。私の寝ていたベッドにはタンスが倒れ、もし寝ていたら命はなかったと思います。
でも、命が助かったことを、本当によかったと思えたのは、心細く苦しい日々を耐えて生きてきて、親鸞聖人の本当のみ教えに出遇った時でした。
今、津波で家も流され、家族も失い、比較にならないほどの被害に苦しまれる皆さんをテレビで見て、毎日泣いています。
その人たちに仏縁あれかしと念ぜずにおれません。助かった命、どうか生きていってほしいです。
■大分県 H.Yさん
私は神戸市灘区で、震度7の地震に見舞われ、「死ぬか」と本気で思いました。
隣のビルは倒壊し、死者が数名、付近の商店街は火事で何十人も亡くなりました。
わずか20秒で家も家族も全て失った人を目の当たりにし、人生80年の縮図と思わずにおれませんでした。
やがて神戸の町も混乱が治まり、自分たちでできることをやろう、と皆が思うようになりました。
絶対の幸福に救われる阿弥陀仏の本願を伝えることは、親鸞学徒にしかできないことです。その年、仏縁深い人がたくさんご縁を結びました。
東日本大震災で被災された方々が一日も早く立ち直り、光に向かって進まれますよう願っています。
■京都府 K.Iさん
当時、神戸大学2年生だった私は、東灘区の友人宅で被災しました。
しばらくは何が起きたか分からず、暗い中、じっと目を凝らすと、木造長屋の2階だった部屋が、そのまま地面に落ちているのに気づきました。
避難所で過ごしたあと、帰った大阪の実家は、全くいつもどおりの風景なのに、また驚きました。しかし、神戸で見た風景も、この大阪も、どちらも仮の姿と思わずにおれませんでした。
次の日曜は、三重での高森先生のご法話で、「真実の信心」のご説法でした。
生きている意味を、親鸞聖人の教えによって、その時ハッキリ知らされました。
このたびの東日本大震災をテレビで見て、16年前を思い出し、胸が痛みます。
私は、高森顕徹先生が伝えられる阿弥陀仏の本願こそ、かけがえのない宝であったことに、廃虚の中で気がつきました。
人間に生まれてきたのは、弥陀の本願一つ聞き抜くため、と親鸞聖人は教えてくださいました。親鸞聖人の教えを、被災された方々に、ぜひ届けたいと思わずにおれません。