仏法で「食」生き返る
富山県 Yさん
私の実家は農家です。両親は共働きで、幼いころは祖母が、味噌お握りや、ふかし芋、自宅で実った果物などをおやつに用意してくれました。
農繁期には家族総出で作業し、苦労して収穫した作物は最高においしく、食や農業の大切さを自然に学びました。
そんな農家に生まれたことを誇りに思い、農業従事者の高齢化・農村の荒廃などの問題解決に役立ちたいと、大学は農学部を志望、青年海外協力隊として世界貢献もしたいと夢を描いていました。
そんなおり、大学で親鸞会の人と出会い、親鸞聖人のみ教えと巡り遇ったのです。
人間の心の相(すがた)をお聞きして、これまでずっと抱えてきた、何をしても満たされない心を解決できるのではと、続けて聞かずにいられませんでした。
そして衝撃を受けたのが、「食べておっても死ぬんじゃぞ」という言葉です。
それまで無添加の物を食べ、健康でいれば大丈夫とどこかで思っていました。また、海外で農業技術を伝えれば、現地の人々は幸せになれると信じていました。
しかし、物質的に恵まれ健康でも、苦悩はなくなりません。長寿大国といわれる日本は空前の健康ブームですが、一方で悲惨な事件が続発し、心の闇はますます広がっているようです。
どんな人も必ず死なねばならないなのに、なぜ生きるのだろう……と考えると暗く不安な心が広がります。
親鸞会の会員となり、聞法を重ねると、生きる目的に無知だから、何をやっても満たされないのだと知らされました。海外協力も、物質や技術の支援だけでは、ただの自己満足に終わってしまう、本当の幸せを届けるには、まず自分自身が生きる意味を知らなければ!
親鸞聖人のお答えは明らかでした。
「万人共通の人生の目的は、苦悩の根元を破り、 〝よくぞこの世に生まれたものぞ〟 の生命の大歓喜を得て、永遠の幸福に生かされることである」
安全安心の食で健康を保つのは人生の目的を果たすため、この目的が大事だからこそ、健康も食も農業も大切になるのだ、とハッキリしました。
今後は日本の農業を元気にするとともに、大好きな両親や家族にも、もっとも大切な「なぜ生きる」の答えを伝えていきたいと思います。