苦難の人生 届いた光
静岡県 橋本宏明さん
69年前、静岡県西部の小さな山村に生を受けました。
豊かな自然の中で何不自由なく育ちましたが、幼いころから、何か分からない不安な心を感じておりました。
祖父母は岐阜から移住してきた熱心な真宗門徒でしたが、私が7歳の時、母が「生長の家」の話を聞くようになりました。
父も、のめり込むようになり、講師となって、人を集めて話をするようになりました。
しかし、私はそれを信じる気にはなれませんでした。
小学校6年生の時、突然、高校生の従姉が亡くなったという知らせが入りました。
自殺でした。
中学になると今度は、岐阜の親戚が、親の墓の前で命を絶ちました。
そんなことが続き、こんな苦しい人生なのに、なぜ生きるのか。自分もこのまま生きていっても、結局、年老いて死んでいくだけ。それでいいのか、悶々と考えるようになりました。
そのうちに結婚。子供も3人生まれました。
しかし、生活に安らぎはありませんでした。
プレス加工の会社に入りましたが、しばらくして倒産しました。
次の職場で機械に手を挟み、右手の指を2本切断しました。
仕事もうまくいかず、職場も転々としていた時、親戚の大工の棟梁が、倒産を苦に自殺をしたのです。
相次ぐ訃報にショックを受け、自分はどう生きればいいのか、考えずにおれませんでした。
そうして、平成7年、まだ寒い3月のある夜、もう寝ようかと思っていた時に、1人の青年が訪ねてきました。
それが本当の親鸞聖人の教えとの出遇いだったのです。
早速、勧められた親鸞聖人のアニメ映画を見せていただきました。
驚きました!こんな世界があったのか!
目がさえてやめられず、続編を続けて見せていただきました。いつの間にか、辺りは白々としておりました。
その半年後、浜松アリーナで高森先生の講演会が開かれることを知ったのです。
ぜひお聞きしたい。はやる心で会場に向かいました。
その日は「四苦八苦」のお話でした。
そして、その苦しみの解決を、
「難思の弘誓は難度海を度する大船、無碍の光明は無明の闇を破する慧日なり」
「弥陀の誓願は、私たちの苦悩の根元である無明の闇を破り、苦しみの波の絶えない人生の海を、明るく渡す大船である。この船に乗ることこそが人生の目的です」
と断言される高森先生。
あった!人生の目的がここにあった!なぜ生きるか、知ることができた!
涙があふれて、声を出して泣きました。
「人身受け難し、今已に受く。仏法聞き難し、今已に聞く」
人間に生まれてよかった!仏法が聞けて本当によかった!
この上は、知らされた喜びとご恩を胸に、親鸞聖人の教えを伝えていきたいと思います。
(プライバシー保護のため、個人名は仮名にしてあります)