平成18年11月(報恩講に参詣された皆さんの声)
摂取の光明に包まれ
大講堂には法悦が満ち溢れ、青色青光、黄色黄光と、おのおの遇法の喜びに響きわたってられるお姿に、この2000畳こそ西方十万億土のお浄土の顕現かと、目の当たりに拝する思いで「今現在説法」を賜る尊さひしひしと、ただ南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏とひれ伏すばかりでした。
やがて待ちに待った、懐かしい高森先生のお姿を涙もて拝し、「五重の義」のご説法を賜りました。
思いますれば、何十年にわたり、何回もお聞かせにあずかりながら、わが身の浅ましき実相には少しも気づかずに思い上がった心ばかりでありました。横着者のかつての自己の姿が思い出されるとともに、今回は一つ一つのお言葉が五臓六腑にしみわたる有難さに、感泣しながらお聞かせいただきました。
この罪業深重の塊である私に、宿善などかけらもあるはずのない私に、あらしめたもうた不可思議光の有難さ!尊さよ!、と今こそ聖人さまの「遠く宿縁を慶べ」のご金言が身にしみて明らかにお知らせいただけたのです。
そして今生で、多生にも会いがたき、高森先生に会わせていただいて、手取り足取りの懇々たる尊き導導にあずからしめたもうた調熟の光明があったればこそ、聞く心のない私がお聞かせいただけたのでございます。そしてとうとう、摂取の光明のお働きによって一念の信心を頂戴させていただくことができたのでございます。この尊さ!有難さ!は筆舌に尽くし難く、ただただ南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏、喜びと懺悔の心いっぱいです。
このような広大なるご恩徳を頂きながら、何一つお報いすることのできない愚か者を何とぞお許しくださいませ。この世のきわもない利益を頂き、ご縁のある方々に仏法の尊さをお伝えすることが最高の幸せでございます。