98歳、バス8時間で元気に親鸞会館へ
広島県 Iさん(98)
メガネも要らず、話しぶりもしっかりと、お元気ながら98歳。降誕会・報恩講はもとより、普段のご法話も自ら進んで参詣している。広島から富山は600キロ。バスで8時間以上かかる道中も、物ともしない。
黙って2000畳の親鸞会館大講堂に座るだけで、「あのIさんが行かれるのに、自分が参詣できないわけがない」と、他の支部学徒まで強烈に牽引する。まさに姿にかけて仏法を伝えている。
広島は真宗の盛んな土地であり、中でも強信な町に生まれ育つ。兄は布教使、父親も仏法に命を懸けた人で、閻魔大王あての借用書なるものを書き残している。文面は、
「この五体の肉身を、もうしばらく聴聞の為にお借りします。その間、雑行や、現世祈祷など、親鸞聖人のみ教えに反することは、絶対に致しません。もし、そのようなことがあったならば、直ちに地獄に引き取って頂いて結構です」。
そんな父を敬慕しつつも、分からずにいた雑行の意味が、親鸞会とご縁を結んでようやく分かった。
「弥陀に救い摂られるためのこの命、一座一座が勝負です」と、Iさんは光に向かう。